
マースレニツァ ― ロシア流の冬の送り
マースレニツァは、冬に別れを告げ、春を迎えることを象徴する、古代から伝わる民俗行事です。ロシアでは、四旬節(大斎)が始まる直前の1週間、通常3月初旬に祝われます。マースレニツァは異教と正教の両方の伝統を受け継ぎ、今もなおロシアで最も華やかで親しまれている民俗祭の一つです。
この祝祭の中心的なシンボルは、女性の姿をした藁人形です。祭りの最終日には、この藁人形をかがり火で焼き、冬を送り出す儀式が行われます。火の周りでは人々が輪になって踊り、歌い、にぎやかな民衆の催しが繰り広げられます。かつては、火を飛び越える風習もあり、それによって厄を払い、幸運を呼び込むと信じられていました。
マースレニツァといえば、何よりも豊かな食の楽しみ。特に太陽を象徴するブリヌイ(ロシア風クレープ)が定番です。祝祭はしばしば、芝居仕立ての演出、民芸市、雪遊びなどとともに盛大に行われます。
この日には、古くからのロシアの伝統に従い、少女の姿をした藁人形を燃やし、その周りで人々が輪になって踊りながら燃え尽きるのを見届けます。